立華だより 2025年9月
*夏の思い出*
暑い暑い暑い毎日が続いています。菜園の夏野菜も、暑すぎて今年は実の付きがあまり良くありません。薩摩芋と里芋の成長を願って暑くても草取りに畑に行くのですが、野菜より雑草の方が元気いっぱいなのは不思議で仕方ありません。その見事な生命力を別のことに活かせないのかしらと、つい考えてしまうくらいです。
さて幼稚園は2学期が始まり、賑やかさが戻ってきました。夏休み「おばあちゃんちにお泊りしたよ」「東京に行ったよ〜」なんて楽しい思い出話を子ども達は聞かせてくれています。保育園のお友達も、お盆休み明けに「えっこんなにお話するようになったの?」「身長が伸びてお洋服が小さくなってる〜」などなど、子ども達の小さな成長を感じる場面が多々ありました。園ではお盆休みの間も、元気な子ども達と一緒に水に触れたりしながら夏の遊びを楽しんでいました。お盆が過ぎてもなお、しばらくは熱中症に気をつけながらの活動が続くことを余儀なくされそうです。皆様もどうぞお気をつけください。
私も短い夏休みを頂戴し、横浜へ行ってきました。春から横浜で暮らしている長男と一緒に、横浜美術館に行く約束をしていました。横浜美術館では「佐藤雅彦展」という展覧会を開催していて、息子が幼い頃とても好きだった「ピタゴラスイッチ」というテレビ番組の企画制作をされた方の作品展が開催されています。佐藤雅彦さんの歴代の作品は、昭和生まれの方ならご存知かと思いますが「ポリンキー」「バザールでござーる」「ドンタコス」など遠い記憶の片隅にリズムよく刻まれているCMの数々、計算されつくした本物のピタゴラ装置、物の動きを物理的に解析して作る映像美、「中をそうぞうしてみよ」「コんがらガっち」など今も子どもの興味を掴んで離さない絵本など、行ってみたらこれはびっくり、私の人生に寄り添われていた作品の数々で、予想外にも作品を見ながら自分の人生を振り返る時間になりました。特にピタゴラスイッチは子育てに必死だった頃の記憶でいっぱい。一分一秒も自分の時間はなく、仕事から帰って18時過ぎ、すぐ夕飯作って、片づけ後回しで息子たちとひと遊びして風呂に入れて、絵本読んで寝かしつけて気づけば朝…。しんどく思いながらも、よく頑張ってたなぁと思うと同時に、こんな風にあの時間を懐かしめるようになるなんて、子どもの肌熱が自分の周りに纏わりついていたことが、今になって何とも尊い時間だったと感じるようになるなんて。音楽や映像を通して、小さい頃の息子たちの姿が見え、何だか申し訳なさでいっぱいになりました。私の必死だった時間は、息子たちをどれだけ満たしていたのかな…。
大きくなった息子は、私と違って「わー」とか「懐かしー」など決して言わず、淡々と作品を見て歩いていましたが、最後に「写真撮っていいのかなぁ」とお気に入りだった作品の前でスマホをパシャリ。花火大会へ向かう人の波に逆らって、ひとり帰る背中を見送りました。
さて、これから後半期に向けて運動会、おゆうぎ会と大きな行事がやってきます。子ども達はその度にぐんと成長した姿を見せてくれるでしょう。日々の生活を元気に過ごしていけるように、子ども達はしっかり食べてしっかり眠ることが必要です。それと、親子の時間。忙しくてもぜひ、目と手と心を合わせる親子時間を作ってあげてくださいね。(沼)